-
・・・店の次の間に大きな唐金の火鉢を出して主人がどっかり座っていた。「旦那さん、先ころはどうもありがどうごあんした」 あの山では主のような小十郎は毛皮の荷物を横におろして叮ねいに敷板に手をついて言うのだった。「はあ、どうも、今日は何の・・・
宮沢賢治
「なめとこ山の熊」
-
・・・ こんなような訳でペンネンネンネンネン・ネネムは一ぺんに世界裁判長になって、みんなに囲まれて裁判長室の海綿でこしらえた椅子にどっかりと座りました。 すると一人の判事が恭々しく申しました。「今晩開廷の運びになっている件が二つござい・・・
宮沢賢治
「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」