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・・・ もうすこし涼しくなり疲れも直りましたら又音楽会でおめにかかれるとたのしみに存じます。十月の定期は短い時間でも聴けるだろうと思って居ります。 何卒よろしくおつたえ下さいませ 八日百合子 高根包子様 一九四七年・・・
宮本百合子
「日記・書簡」
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・・・卒業さえしてしまえば直ります。」 奥さんもなる程そうかと思って、強いて心配を押さえ附けて、今に直るだろう、今に直るだろうと、自分で自分に暗示を与えるように努めていた。秀麿が目の前にいない時は、青山博士の言った事を、一句一句繰り返して味っ・・・
森鴎外
「かのように」