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・・・それから、自分が生来のわがまま者でたとえば引っ越しの時などでもちっとも手伝わなかったりするので、この点でもすっかり罰点をつけられていた。それからTは国のみやげに鰹節をたった一本持って来たと言って笑われたこともある。しかし子供のような心で門下・・・
寺田寅彦
「夏目漱石先生の追憶」
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・・・それで一句一句しらみつぶしに解釈し批評して行く場合にはこれらの句はややもすれば罰点を付けられるのであるが、しかし上述のような考え方に従ってその句の近辺一帯の進行を通観した後にその一句の役目を考え直してみると、多くの場合にわれわれはこのやや劣・・・
寺田寅彦
「連句雑俎」