・・・ スーザンが仕事に規則正しく熱中しているうちに、ブレークはロシアの舞踊家ソーニャとの恋の遊戯におちいった。それを一年の間知らなかったのはスーザンばかりであった。しかもそれを知ったのは、彼女がブレークの見るソーニャとは異なったソーニャの彫・・・ 宮本百合子 「『この心の誇り』」
・・・ 新聞・通信・ラジオ 出版 雑誌 書籍 教育 国字・国語 宗教 科学 文学 映画・演劇 音楽 舞踊 美術 スポーツ・・・ 宮本百合子 「今日の日本の文化問題」
・・・音楽にも軽音楽やダンス・ミュージック、みんなが口ずさむようないろいろな歌。舞踊でもこのごろはやっているスクウェアー・ダンスのようなものが娯楽のためのダンスであって、芸術としてのバレーとは自然ちがいます。映画や演劇は、芸術性と娯楽性のもっとも・・・ 宮本百合子 「質問へのお答え」
・・・ソヴェトの各工場にはみな文化サークルがあって、シーモノフなども工場のサークルから送られた作家です。舞踊でも、オペラでも、文学でも、あらゆることが、文化サークルの中にあって、そこで、この人たちの好きな、やりたいことをやっているうちに才能が成長・・・ 宮本百合子 「社会と人間の成長」
・・・ ターニャ・イワノヴナはレーニングラードのマリンスキー劇場の第一舞踊手と結婚した。美男の良人につかまって数番の初等トウダンスと両脚を床の上で一直線に展くことをおそわった時 ターニャ・イワノヴナは自分の姙娠したことを知った。踊りての良人は・・・ 宮本百合子 「一九二九年一月――二月」
・・・そういう外国人たちは、第一国立オペラ舞踊劇場でオペラばっかり見ているよ。「ローヘングリーン」や「カルメン」。「オニェーギン」「スペードの女王」「サドコ」はこわくないからね。 ――ふーむ。そんな古典をやってるところもあるのかな。古典をすて・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
・・・それから崔承喜をはじめ、朝鮮出身の歌手たち舞踊家たちのことである。日本の権力は植民地であった朝鮮の人民の間からすぐれた政治、経済面の活動家が、成長してくることを極力ふせいだ。そして、いわゆる文化面といっても朝鮮人民の言葉と思想感性のおのずか・・・ 宮本百合子 「手づくりながら」
一、技神に入れる舞踊、真の芸術家によって描かれたる絵画 二、深い理解と技倆ある楽手によって奏せられるシムホニイ 三、好愛して読むのはジャンクリストフ、戦争と平和 四、静に庭や他の自然を眺めること、読書、気の合っ・・・ 宮本百合子 「何がお好き?」
・・・磨きぬかれた舞踊の技術と情緒の含蓄と、しかもその情緒を貫く愛の思いがいかにも睦み合う夫と妻との諧調を表現していて、全く感動的であったと思う。広いホールに、時間が来たのにまだ現れない前線からの良人を待って、踊りを所望されたカッスル夫人が、不安・・・ 宮本百合子 「表現」
・・・芸妓の芸が音曲舞踊の芸ではなくして枕席の技巧を意味せられる時代には、通人はもはや昔のように優れた享楽人であることを要しないのである。 享楽の能力が豊富であるとは、物象に現われた生命の価値を十分に味わい得るということである。そのためにはあ・・・ 和辻哲郎 「享楽人」
出典:青空文庫