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・・・村上の御門第七の王子、二品中務親王、六代の後胤、仁和寺の法印寛雅が子、京極の源大納言雅俊卿の孫に生れたのは、こう云う俊寛一人じゃが、天が下には千の俊寛、万の俊寛、十万の俊寛、百億の俊寛が流されているぞ。――」 俊寛様はこうおっしゃると、・・・
芥川竜之介
「俊寛」
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・・・肩息で貴方ね、口癖のように申すんですよ、どうぞまあそれだけでも協えてやりたいと、皆が心配をしますんですが、加持祈祷と申しましても、どうして貴方ここいらは皆狸の法印、章魚の入道ばっかりで、当になるものはありゃしませぬ。 それに、本人を倚掛・・・
泉鏡花
「湯女の魂」