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・・・ 九郎右衛門が事に就いては、酒井忠学から家老本多意気揚へ、「九郎右衛門は何の思召も無之、以前之通可召出、且行届候段満足褒美可致、別段之思召を以て御紋附麻上下被下置」と云う沙汰があった。本多は九郎右衛門に百石遣って、用人の上席にした。りよ・・・
森鴎外
「護持院原の敵討」
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・・・「永年遠国に罷在候夫の為、貞節を尽候趣聞召され、厚き思召を以て褒美として銀十枚下し置かる」と云う口上であった。 今年の暮には、西丸にいた大納言家慶と有栖川職仁親王の女楽宮との婚儀などがあったので、頂戴物をする人数が例年よりも多かったが、・・・
森鴎外
「じいさんばあさん」