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・・・ 目の下を流れて行く川が、やがて、うねりうねって、向うのずうっと向うに見えるもっと大きい河に流れ込むのから、目路も遙かな往還に、茄子の馬よりもっと小っちゃこい駄馬を引いた胡麻粒ぐらいの人が、平べったくヨチヨチ動いているのまで、一目で見わ・・・
宮本百合子
「禰宜様宮田」
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・・・だが、焼野原となった東京で、かえって来た重吉の心に、めじるしとして感じられたのは、昔の二階家であった。その家は、ひろ子の弟の家の北側が垣根一重のところまで焼けたとき、焼けて跡かた無くなっていた。 自由になって、まだ十日余りしかたたない重・・・
宮本百合子
「風知草」