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・・・ 豪胆で殺伐なことが好きで、よく銃剣を振るって、露西亜人を斬りつけ、相手がない時には、野にさまよっている牛や豚を突き殺して、面白がっていた、鼻の下に、ちょんびり髭を置いている屋島という男があった。「こういうこた、内地へ帰っちゃとても・・・
黒島伝治
「雪のシベリア」
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・・・ オラーフ・トリーグヴェスソンが武運つたなく最後を遂げる船戦の条は、なんとなく屋島や壇の浦の戦に似通っていた。王の御座船「長蛇」のまわりには敵の小船が蝗のごとく群がって、投げ槍や矢が飛びちがい、青い刃がひらめいた。盾に鳴る鋼の音は叫喊の・・・
寺田寅彦
「春寒」