二月号をひっくりかえして見ていて気になったことお耳にいれます。カットがまことに少く淋しいこと。題がどれも原形で文学にまでなっていない題であることなどです。これは次号予告を見ても強く感じました。文学雑誌は書く人も文学の空気を・・・ 宮本百合子 「気になったこと」
・・・、一種の前口上がつく、例えば、第一幕で、楽屋番の豊吉と蛇使いの女の一人とが長火鉢を挾んで説明、批評したことの内容を、お絹と林之助が第二幕二場でやって見せ、三幕目では、ちゃんと、菓子売の勘蔵が、前もって予告した通りのことが、やや茶番じみた台所・・・ 宮本百合子 「気むずかしやの見物」
・・・さらに、百万人の失業と予告されているその百万分の二に二人がなる可能についての憂慮ではなかっただろうか。ここに、今日の日本の民主主義の実状があり、その段階がある。封建的な人間性の否定に抗すると同時に、その意欲と行動との統一された表現として、歴・・・ 宮本百合子 「現代の主題」
・・・ぼんやりと、自分でもその本態をはっきりつかめずに幸福や安らかさを思っている心を、幸福の手紙が、却って凶悪のはっきりした予告でおどろかして、一つの手紙も書くという行動に動かして行くところは、なかなか心理的である。このことは、皆が、不幸とか災難・・・ 宮本百合子 「幸運の手紙のよりどころ」
・・・と各自、事件につながる自作予告をした。 センセーショナリズムは、内剛外屈の吉田内閣が民主化すてながしの一九四九年度筋書として極端にまで使用した方法でもあった。政治と文化とを一貫して、世相を押しきったこのような潮流は、一九四九年度の毎日文・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・から無代の切符配分をうける、その予告なのである。 親たちは大人の劇場へ職業組合からの半額、あるいは無代の切符をもって。子供は子供の属す組織を通じて「若い観衆の劇場」へ! ここにソヴェト同盟の劇場の、晴れやかな歓びの源がある。 たとえ・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・は、主題に対して、一層の拡大を予告している。 これまでの国際的主題を扱ったプロレタリア作品は大抵中国又はドイツ、ソヴェト同盟各一国を中心として国際的に観察していたところが「転換時代」で、作者は地図入りの前書中に云っている。「ヤング案のド・・・ 宮本百合子 「プロレタリア文学における国際的主題について」
・・・一八八一年三月一日、全く予告なく突発した事情の下に帝位に即かせられることになった酒飲みのアレキサンドル三世は、有名なポヴェドノスツェフと共に極端な反動的政治をはじめ、そのために従来ナロードニキの社会的支柱であったブルジョア自由主義者は甚しく・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの伝記」
・・・ 水道十二倍、ガス六倍の値上げが予告されている。私たちの眼は、大きく大きくと見開かれてゆく。生活は、どうなるのだろうか。今日そう思わない人民大衆は一人もあるまいと信じる。全く私たちの生活は、どうなるのだろう。 三月四日の新聞は「月五・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫