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・・・それからひるは過燐酸の工場と五稜郭。過燐酸石灰、硫酸もつくる。五月廿日 *いま窓の右手にえぞ富士が見える。火山だ。頭が平たい。焼いた枕木でこさえた小さな家がある。熊笹が茂っている。植民地だ。・・・
宮沢賢治
「或る農学生の日誌」
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・・・「ああ、ぼくは畜産の方にも林産製造の方にも友だちがあるから、みんなさそって来てやるよ。ポラーノの広場のはなしをしてね。」「そうだ、ぼくらはみんなで一生けん命ポラーノの広場をさがしたんだ。けれども、やっとのことでそれをさがすと、それは・・・
宮沢賢治
「ポラーノの広場」