-
・・・ それで、文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向があるという事実を充分に自覚して、そして平生からそれに対する防御策を講じなければならないはずであるのに、それがいっこうにできていないのはどういうわけであるか。そのおもなる原因は、・・・
寺田寅彦
「天災と国防」
-
・・・「日本も累進率の税法で、これから文化がどしどし上る一方だよ」という理論は、常人にとって全く理解し難い。それを、「梶は日本の変化の凄まじさを今更美事だとまたここでも感服する」というのは、いかがしたことであろうか。「厨房日記」をよむと、この・・・
宮本百合子
「「迷いの末は」」