・・・互にまともな結婚もなかなかできない下級サラリーマンとウーマンとが、自分たちのゆがめられしぼられている小さい恋の花束を眺めて、野暮に憤る代りに、肩をすくめ、目交ぜし合い、やがて口笛を吹いてゆくような新らしげな受動性。あるいは「女の心」に扱われ・・・ 宮本百合子 「新しい一夫一婦」
・・・サラリーマンの妻としての暮しにおいても、サラリー・ウーマンとしての暮しにおいても。 女の仕事と職業とが性能の上からも一致し、正当な社会評価を求め得る気風が一般化されてこそ、女の生活は豊富になり、明るい力強さをもつと思います。当面生活の心・・・ 宮本百合子 「現実の道」
・・・ 例えば正月号の『ウーマンカレント』のカレントなども、新聞の寸評的効果を与えようとした点広く社会問題をとりあげている点面白いが、私には、問題の表面を滑りすぎた評言が与えられているところ物足りなかった。学生の思想取締問題など、男性の社会の・・・ 宮本百合子 「是は現実的な感想」
・・・三宅やす子の『ウーマンカレント』を中心とし小規模の救援事業をした。野上彌生子とこれらの数年間に知る。一九二四年春ごろから少し書くことができるようになった。「心の河」「イタリアの古陶」等。湯浅芳子を知る。夏・・・ 宮本百合子 「年譜」
出典:青空文庫