・・・ヘーゲル左党と呼ばれたこの一団は、ドクトル・クラブを組織していて、十九歳のマルクスはこのグループに入った。ドクトル・クラブはその後「ベルリン自由人」という団体に発展し、一八四二年には、カールにとって生涯の共働者となったフリードリッヒ・エンゲ・・・ 宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
・・・そのころ、あなたのラーゲリでは音楽グループは、どんなことをしていたでしょう。演劇グループはあったでしょうか。アクチーブの人たちは創作コンクールなどにどのように活動したでしょう。わたしたちには興味のふかい、知りたい情景であり、内容です。・・・ 宮本百合子 「結論をいそがないで」
・・・ 日本の農民作家団――わたしは、日本に特別そういう作家グループはないと答えた。農民を描く作家もプロレタリア文学運動の一つの分野に属すと云ったら、フフムという顔つきでその男が云った。「われわれのところには、プロレタリア作家の団体とは別・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・また、あらゆる面にはびこっている日本の封建的な官僚主義やセクト主義が、法隆寺の壁画保存にもからんでいて「法隆寺グループ」というものの存在も語られた。散々不評だった下條文相をやめさせるきっかけに、吉田首相は法隆寺失火責任を負わせ、火事は政治漫・・・ 宮本百合子 「国宝」
・・・民主主義文学運動は、自身のグループを一つの文学流派として存在させるだけでは意味がないと思う。過去のプロレタリア文学は、単なる一流派ではなくて、各国においてその国の労働者階級の階級的自覚とともに、文学全体の認識に多くの新しい水平線をひらいた。・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・少年らのグループが作家の団体へ、あなた方の文学上の才能を、未来の担い手であるわれわれのためにもっと十分発揮してくれ、という公開状をよせたりして、この問題は活溌な注目の下にあった。この場合は、もちろん、昔の化物話や泥棒などではない、新しい社会・・・ 宮本百合子 「子供のために書く母たち」
・・・ 最近の二年間に多くの自立劇団、美術、音楽、詩、小説、科学のグループをもちはじめた日本の労働組合員は、彼らの休日の大きい楽しみである映画が、輸入ものかさもなければ愚劣な日本ものしかなくなるということについて、重大な関心を示している。映画・・・ 宮本百合子 「今日の日本の文化問題」
・・・それにつけ加えて、社会主義的リアリズムというのは、一定のグループが自説を押しつける強制的なものではないし、それぞれの国がそれぞれの社会の現実に即して、人民が人民のための文学をつくってゆくことを意味するという註釈をくりかえした。質問者は、シー・・・ 宮本百合子 「作家の経験」
・・・本年の一月頃から日本文学の動きは『文学界』を中心に、文学における科学的客観的評価の否定、合理的な世界観の拒否の声が一層高まり、昨今はこのグループによって変種の実証主義、信仰的体験への要求が提出されている。文化における極端な民族尊重の傾向と結・・・ 宮本百合子 「作家のみた科学者の文学的活動」
・・・によって後者の庶民的生活力には結びつかず、象徴派のマラルメやアンリ・ド・レニエなどと相識り、爾後四五年間はその温室の中にあって、間接に『法螺貝』、『半人獣』などという雑誌編輯に当り、グループの「最も光彩陸離たる聖職者の一人」となった。 ・・・ 宮本百合子 「ジイドとそのソヴェト旅行記」
出典:青空文庫