・・・またこのゲンカンは竹林七賢人の一人の名だとの説もある。 ところがちょっと妙なことには、このゲンカンの文字を今のシナ音で読むとジャンシェンとなるのである。またこのコハシあるいはコフジに相当するものと思われる類似の楽器の類似の名前がヨーロッ・・・ 寺田寅彦 「日本楽器の名称」
・・・シンゲンはなんでもトウケイ四十二度二分ナンイ……。」「エヘン、エヘン。」 クねずみはまたどなりました。 タねずみはまた面くらいましたが、さっきほどではありませんでした。 クねずみはやっと気を直して言いました。「天気もよく・・・ 宮沢賢治 「クねずみ」
・・・ 女将が階下へ下りかける、階子口ですれ違いに、「ゲンコツぁん、お居やすか」「まだ寝んねおしいしまへんのん」 桃龍と里栄が入って来た。里栄は、都踊りへ出たままの顔と髪で、「おおしんど!」 直ぐそこにある茶を注いで飲んだ・・・ 宮本百合子 「高台寺」
出典:青空文庫