・・・うまいぐあいに世界的に有名なタイフーンのいつも通る道筋に並行して島弧が長く延長しているので、たいていの台風はひっかかるような仕掛けにできている。また大陸塊の縁辺のちぎれの上に乗っかって前には深い海溝を控えているおかげで、地震や火山の多いこと・・・ 寺田寅彦 「災難雑考」
・・・wa, Naze and Isigaki, besides those in Tokyo and Kbe, by which the first forecasting of approaching typhoons was observe・・・ 寺田寅彦 「PROFESSOR TAKEMATU OKADA」
・・・ 現にタイフーンのごときまた、舟火事のごときは単にタイフーンを写し、単に舟火事を写したものとして立派な雄篇である。首尾一貫前後相待って渾然と出来上がっている。なぜかと云うと、篇中に出て来る人間の心状、及び動作がことごとくタイフーンと舟火・・・ 夏目漱石 「コンラッドの描きたる自然について」
出典:青空文庫