・・・モナ・リザは彼女の感覚によってレオナルドの知性を感じとり、レオナルドは彼のあらゆるデッサンにあらわれているあのおそろしいような人間洞察の能力で、モナ・リザという一人の女性の内奥の微妙な感覚までを把握したのであった。こういう共感が異性の間に生・・・ 宮本百合子 「女性の歴史」
・・・ 画の新しさ・主題・手法・色彩の溌溂として新鮮な感覚というものは、然し、末梢的な狙いで、ただ色よりも線でのデッサンを主にするような試みだけで獲得しうるものでないであろう。私は、いろいろの点で、帝展の数百点の画からは、かくあってはならぬ、・・・ 宮本百合子 「帝展を観ての感想」
・・・ディフォーメイションがデッサンの不確さを蔽うというイージーな画業への害悪を取上げてみても真面目な画家ならそこに疑問を発見するだろうと思う。〔一九四七年六月〕 宮本百合子 「ディフォーメイションへの疑問」
・・・次にこの画は、女の裸体を描き得たことにおいて成功である。デッサンが狂っていない。肉づきにも無理がない。ことに女の体の清らかな美しさを遺憾なく発揮した所は嘆賞に価する。第三に、日本画で現代の浴室を、しかも全裸の女を描き得たということは、一種の・・・ 和辻哲郎 「院展遠望」
出典:青空文庫