・・・すべての人間が偏光ばかりで物を見ないで、かたよらぬ自然光でも物を見るような時代がもし来れば、あらゆるデマゴーグは腕をふるう機会を失うであろう。 二 つるばらと団扇とリベラリスト 鉢植えのつるばらがはやると見えて至ると・・・ 寺田寅彦 「錯覚数題」
・・・ ただ国民の中でおそらくきわめて少数なある種のデマゴーグ的政治家、あるいは投機的の事業にたずさわるいわゆる「実業家」のうちの一部の人たちは、一日でも一時間でも他人より早くこれらの記事を知りたいと思うだろう。そういう人々の便宜を計るという・・・ 寺田寅彦 「一つの思考実験」
これは自分が喋って速記をとったものです。自分で書く時間がなかった。話しかたが下手だから、大してうまく行っていないかもしれないが、一九一七年の革命以来、種々なデマゴーグによって歪め伝えられているソヴェト・ロシアの日常につ・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
作家の生活費は収入で決まる ソヴェト露西亜の実生活については種々反動的なデマゴーグが拡まっているが、実際内部へ入って見れば、年々状態は好くなって来るし、一九二八年――まして一九三三年の生産拡張五ヵ年計・・・ 宮本百合子 「露西亜の実生活」
出典:青空文庫