ニトロかごうぶつ【ニトロ化合物】
ニトロ基をもつ化合物の総称。特に有機化合物をいい、ニトロベンゼン・ニトログリセリンなど、染料や爆薬として重要なものが多い。
ニトロき【ニトロ基】
《nitro group》「ニトロ1」に同じ。
ニトログリセリン【nitroglycerin/nitroglycerine】
グリセリンの硝酸エステル。グリセリンを硝酸と硫酸の混合物で処理して得られる無色の油状液体。わずかの衝撃でも爆発し、威力は大きい。ダイナマイト・無煙火薬の原料。血管拡張作用があり発作が緩解されるので、狭心症などに舌下錠として用いる。化学式C3H5N3O9
ニトロセルロース【nitrocellulose】
セルロースの硝酸エステル。セルロースを硝酸・硫酸・水の混合物で処理してつくる。硝酸度の多いものは無煙火薬などに、少ないものはラッカーやフィルム、セルロイドなどの原料。硝酸セルロース。硝酸繊維素。硝化綿。
ニトロピレン【nitropyrene】
突然変異を起こす作用が強い発癌 (はつがん) 物質。ジェット燃料を燃やしたとき生ずる。
ニトロベンゼン【nitrobenzene】
ベンゼンを硫酸・硝酸・水の混合物で処理すると得られる、特異な香気がある無色の液体。有毒。アニリンの原料として重要。化学式C6H5NO2
ニトロベンゾール【(ドイツ)Nitrobenzol】
⇒ニトロベンゼン
ニトロか【ニトロ化】
有機化合物の分子中の水素原子をニトロ基に置換する化学反応。ニトロ置換。
ニトロちかん【ニトロ置換】
⇒ニトロ化
ニトロたかんほうこうぞくたんかすいそ【ニトロ多環芳香族炭化水素】
多環芳香族炭化水素(PAH)が大気や有機物中の窒素と結合してニトロ化した物質の総称。化石燃料などの燃焼によって副生成する。大気汚染の原因である浮遊粒子状物質(SPM)になるほか、発癌 (はつがん) 性を示す物質としても知られる。NPAH(nitro polycyclic aromatic hydrocarbon)。