・・・要は無いが、博文館が日本の雑誌界に大飛躍を試みて、従来半ば道楽仕事であった雑誌をビジネスとして立派に確立するを得せしめ、且雑誌の編纂及び寄書に対する報酬をも厚うして、夫までは殆んど道楽だった操觚をしてプロフェッショナルとしても亦存在し得るよ・・・ 内田魯庵 「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」
・・・この点はプロフェッショナルな批評家の、苦心の要るところだろうと想像される。 自分等のようなものが絵の展覧会を見るのは、何時でも絵を見て楽しむためである。だから、如何に評判の絵でも、自分に興味のないものは一度きりで見ないで済むし、気に入っ・・・ 寺田寅彦 「二科会展覧会雑感」
・・・ それ等の交渉の間、家主がプロフェッショナルでなく、丁寧に、又、親切気を持って居て呉れると云うことが、如何程我々をよろこばせたか判らない。 相当の家作持ちらしく、若い夫妻である彼等は、決して、近所で名を轟かす、大家の虎屋のようなもの・・・ 宮本百合子 「又、家」
出典:青空文庫