・・・例えば、そん中で、マクシムが、俺はあっちの工場へ行くかもしれねえって云った時、ワーリャが訊く。何故だ? するとマクシムは、あっちの方が得だ、って返事してる。労働者の、ましてマクシムのような男は、そうは云わないんだ。『あっちは三十五哥多い』そ・・・ 宮本百合子 「「鎌と鎚」工場の文学研究会」
前書 一九三六年六月十八日。マクシム・ゴーリキイの豊富にして多彩な一生が終った。恰度ソヴェト同盟の新しい憲法草案が公表されて一週間ほど後のことであった。ゴーリキイはこの新憲法草案の公表によって引き起さ・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの伝記」
一九三六年六月十八日。マクシム・ゴーリキイの豊富にして多彩な一生が終った。ちょうどソヴェト同盟の新しい憲法草案が公表されて一週間ほど後のことであった。ゴーリキイはこの新憲法草案の公表によって引き起されたソヴェト同盟内のよろ・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの発展の特質」
・・・ロマン・ローラン、マクシム・ゴーリキイの二人である。 これらの人々は、いずれも自分の遭遇した時代の種々さまざまな矛盾をもっとも偽りない心で悩みつつ頑強に人類の幸福とより合理的な社会を求める熱誠を棄てなかった人々である。そして、永年にわた・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」
一人の人間として最も誠実な心から人類の生活の向上と発展とを信頼し、そのために永い困難な芸術家としての努力を捧げたマクシム・ゴーリキイの六十八年の輝きある生涯は、この六月遂に終った。 ゴーリキイは、ロマン・ローランなどと・・・ 宮本百合子 「逝けるマクシム・ゴーリキイ」
・・・ 構内の学生食堂で、キャベジ・スープをたべてると、赤い襟巻をしたマトリョーナがやって来た。 ――ここあいてる? ――ああ。 ――ワーニカ! マクシムを、こんど一般委員会で批判しなくちゃ駄目だ。あの男、こないだの遠足の明細書をまだ・・・ 宮本百合子 「ワーニカとターニャ」
出典:青空文庫