・・・たゞ、主として、力点をアンチ・ミリタリズム文学に置くと云ったまでのことである。 帝国主義ブルジョアジーは、平時から、殖民地の××他民族の隷属、労働運動の抑圧政策をとる。その政策が継続し、発展してついには、××手段による戦争が起ってくる。・・・ 黒島伝治 「反戦文学論」
・・・ あの、遠くから聞えて来た幽かな、金槌の音が、不思議なくらい綺麗に私からミリタリズムの幻影を剥ぎとってくれて、もう再び、あの悲壮らしい厳粛らしい悪夢に酔わされるなんて事は絶対に無くなったようですが、しかしその小さい音は、私の脳髄の金的を・・・ 太宰治 「トカトントン」
・・・科学がキャピタリズムやミリタリズムやないしボルシェヴィズムの居候になっているうちは、まあ当分見込がなさそうに思われる。 満員電車にぶら下がっている人々の傍を自動車で通る人があるから世の中に社会主義などというものが出来るという人がある。一・・・ 寺田寅彦 「電車と風呂」
出典:青空文庫