ななついろは【七つ以呂波】
平仮名・片仮名・万葉仮名など七つの書体に書き分けた、いろは歌。手習いの手本などに用いた。
ななつお【七つ緒】
1 七つの緒。多くのひもや糸。また、7本の弦。「—の琴」「我がうなげる玉の—」〈万・三八七五〉 2 輿 (こし) や牛車 (ぎっしゃ) などの御簾 (みす) についている7本のひも。
ななつぐち【七つ口】
江戸城大奥の出入り口の一。奥女中の外出のときなどの通用口。夕方七つ時に閉鎖された。
ななつげ【七つ毛】
手足の指に生えた柔らかい毛。「—の蚊に苦しむや足疾鬼」〈五元集〉
ななつさがり【七つ下(が)り】
1 ㋐今の午後4時を過ぎたころ。 ㋑「七つ下がりの雨」の略。 2 午後4時を過ぎたころの状態。特に、空腹を感じている状態。「刻限は知らねども、わが腹は—」〈浄・浦島年代記〉 3 物が古びること。衣服などの色がさめること。七つ時分 (じぶん) 。七つ過ぎ。七つ半。「羊羹 (やうかん) 色の小袖に、おなじ縮緬 (ちりめん) の羽織、—とおぼしきを引っかけ」〈滑・六あみだ詣〉
ななつさがりのあめ【七つ下(が)りの雨】
午後4時過ぎに降り出した雨。大概は長く降り続くので、なかなか終わらないもののたとえにいう。
ななつすぎ【七つ過ぎ】
1 今の、午前4時または午後4時を過ぎたころ。 2 「七つ下がり3」に同じ。
ななつだち【七つ立ち】
早朝4時ごろに出発すること。「旅の汚れのあかつきは—か八つ立ちか」〈浄・丹波与作〉
ななつどうぐ【七つ道具】
1 7種類で一組とされる道具。また、7種に限らず、ある事をするのに必要なひとそろいの道具。「スパイの—」 2 武士が戦場に出るとき携えたという7種の武具。ふつう、具足・刀・太刀・弓・矢・母衣 (ほろ) ・兜 (かぶと) 。また、弁慶など豪勇の者が用いたという、鋸 (のこぎり) ・槌 (つち) ・鎌・斧 (おの) ・熊手などの7種類の道具。 3 大名行列で、供に持たせた、槍・長刀 (なぎなた) ・台笠・立傘・大鳥毛・馬印・挟み箱。 4 女性が身だしなみのために一組にして携帯する小道具。はさみ・小刀・針・耳かき・毛抜き・糸巻き・爪切りなど。 5 立花 (りっか) で基本となる七つの役枝 (やくえだ) 。真・副 (そ) え・受け(請け)・正真 (しょうしん) ・見越し・流枝 (ながし) ・前置きの七つ。 6 《「七 (しち) 」が「質 (しち) 」と同音であるところから》質ぐさ。
ななつどき【七つ時】
昔の時刻の名。今の午前4時および午後4時ころ。