・・・が、実はこの怪異を祈伏せようと、三山の法力を用い、秘密の印を結んで、いら高の数珠を揉めば揉むほど、夥多しく一面に生えて、次第に数を増すのである。 茸は立衆、いずれも、見徳、嘯吹、上髭、思い思いの面を被り、括袴、脚絆、腰帯、水衣に包まれ、・・・ 泉鏡花 「木の子説法」
・・・ 最近の新聞紙は、三山博士の子供が三人共家出をして苦しんでいるという事実を伝えている。その記事に依ると、本当の母親は小さいうちに死んでしまって、継母の手に育ったという。博士は三人の子供が三人共学問が嫌いで、性質が悪くて家出をしたように云・・・ 小川未明 「愛に就ての問題」
・・・話新唐書 北夢瑣言全唐詩話 桐薪唐詩紀事 玉泉子六一詩話 南部新書滄浪詩話 握蘭集彦周詩話 金筌集三山老人語録 漢南真稿雪浪斎・・・ 森鴎外 「魚玄機」
出典:青空文庫