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・・・疑敷ことは夫に問ふて其下知に随ふべし。夫問事あらば正しく答べし。其返答疏なるは無礼也。夫若し腹立怒時は恐れて順べし。怒り諍ひて其心に逆ふべからず。女は夫を以て天とす。返々も夫に逆ひて天の罰を受べからず。 婦人に主君なしと言う。此・・・
福沢諭吉
「女大学評論」
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・・・の一言で聞き捨て、見捨て、さて陣鉦や太鼓に急き立てられて修羅の街へ出かければ、山奥の青苔が褥となッたり、河岸の小砂利が襖となッたり、その内に……敵が……そら、太鼓が……右左に大将の下知が……そこで命がなくなッて、跡は野原でこのありさまだ。死・・・
山田美妙
「武蔵野」