・・・失業の予備軍となっている。しかしそういう点で共通の幸福を守ること、その協力の意味を理解しない男の人たちは、組合が要求するから仕方がないようなものの、女のくせに生意気だという感情を捨てきっていない。組合の中で婦人部と青年部とはよく調和して活動・・・ 宮本百合子 「明日をつくる力」
・・・一九一四年度ロシアの中学校、実務学校、予備学校における学生の出身階級の分布 世襲貴族の子弟 六・三 貴族及高官 一八・四 宗教家 四・八 紳士及紳商 九・六 商人、組合の親方 三二・一・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・ソヴェトの党・労働組合がプロレタリアートの中から優良な技術家を養成しようとして、あらゆる場所に工場学校、労働予備学校、専門技術学校を設置していることの革命的意義はここにある。 芸術の領域で、プロレタリア作家たちが、そのスローガン「プロレ・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・しかし、この一つの事実は、その事実が結論されて来るまでの条件として他のもう一つの予備的事実をふくんでいる。それは一九四九年度の調査のために、毎日新聞は一九四七年度の調査にあらわれた特に読書率の低い地方を対象としたということである。大都市より・・・ 宮本百合子 「しかし昔にはかえらない」
・・・しうる産業予備軍として、ある歴史の段階に到るまでは労働者階級の負担とならないわけにはゆかなくさせられている。 一九四九年まで、日本の民主化は、日本の独立と自由と平和について語った。敗戦日本の社会悪に対しても、すべての人々が市民として・・・ 宮本百合子 「戦争はわたしたちからすべてを奪う」
・・・十年前に労働予備軍に加った人々の生活が低下しつつある傍ら、新しい青年層の無産者化が大量に行われつつある。それ故詳しく具体的に見れば、今日の大衆の実質の中には、画期的な多量さで知識人要素が内包されて来ているわけである。大衆の質も量も、この十年・・・ 宮本百合子 「全体主義への吟味」
・・・太閤記と云う名をきいただけで、日本の庶民の伝承のうちにめをさます予備感情がある。だから、戦時中は小才のきく部隊長のような藤吉郎が清洲築城に活躍しても、よむ人は、逆に、やっぱり秀吉ほどの人物は、と、自分たちが非人間に扱われている現状に屈する方・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
・・・「少佐殿。お見忘になりましたか知れませんが、戦地でお世話になった輜重輸卒の麻生でござります。」「うむ。軍司令部にいた麻生か。」「はい。」「どうして来た。」「予備役になりまして帰っております。内は大里でございます。少佐殿に・・・ 森鴎外 「鶏」
・・・なおその上に、彼はフランス本国から二十万人を、ライン同盟国から十四万七千人、伊太利から八万人を、波蘭とプロシャとオーストリアから十一万人、これに仏領各地から出さしめた軍隊を合せて七十万人に、加うるに予備隊を合して総数百十万余人の軍勢をドレス・・・ 横光利一 「ナポレオンと田虫」
・・・中央大学の予備科に一、二か月席を置いたのも一緒であった。それが九月からは四高と一高とに分かれて三年を送り、久しぶりにまた逢うようになったときに、最初に話して聞かせたのが、四高の名物西田幾多郎先生のことであった。日本には今西田先生ほど深い思想・・・ 和辻哲郎 「初めて西田幾多郎の名を聞いたころ」
出典:青空文庫