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・・・ 大空には、あたかもこの海の沖を通って、有磯海から親不知の浜を、五智の如来へ詣ずるという、泳ぐのに半身を波の上に顕して、列を造って行くとか聞く、海豚の群が、毒気を吐掛けたような入道雲の低いのが、むくむくと推並んで、動くともなしに、見てい・・・
泉鏡花
「瓜の涙」
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・・・伏木から汽船に乗りますと、富山の岩瀬、四日市、魚津、泊となって、それから糸魚川、関、親不知、五智を通って、直江津へ出るのであります。 小宮山はその日、富山を朝立、この泊の町に着いたのは、午後三時半頃。繁昌な処と申しながら、街道が一条海に・・・
泉鏡花
「湯女の魂」