・・・そして、昔はブルジョアや貴族がもっていた別荘を、今は労働組合の「休養の家」として、そこへ休暇にゆく。「では、何故ソヴェト同盟において、労働者はかくの如く生活するかと云えば、政権を労働者がとっているからである」そう高岡只一は云いました。聞いて・・・ 宮本百合子 「共産党公判を傍聴して」
・・・要するに、七日目に一度廻ってくる休養日ではないか? では、例えばソヴェトじゅうの工場と役所とが日曜日だというと一斉に休業して、用のある者はしまったガラス戸越しに机と電話、磨かれた機械は見るが、そこで呼びかけるべき人間の影も無いという状態は、・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・私も秋になってからもし事情が許したら少し休養して来るつもりだから。二人のところに、今年の夏の休暇は時おくれなのです。 お体は朝夕しのぎよくなりましたか? 食欲はお出になりますか。あしたあたりお手紙が来るのではないかと思います。十八日には・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・ そのような工場生活者の精神と肉体との組立てに対して、全く要素の異った詩吟というようなものが、どうして互によく調和し、休養と慰安と心の高まりと成り得るだろう。二つのものリズム・テンポの生理は、そもそもからちがっているのである。 今日・・・ 宮本百合子 「今日の生活と文化の問題」
・・・「よき労働はよき休養を必要とする」休養の合理化として、クラブはその所在区の市民をも吸収することになったのである。 だから今夜、クラブ音楽部員は活溌な行進曲を奏し、 一、二! 一、二! 何々区ピオニェール分隊がどっしり重い・・・ 宮本百合子 「三月八日は女の日だ」
・・・二十四時間を、八時間働いて、八時間休養して、八時間教育をうけるということは、アメリカの労働者が世界第一回のメーデーで要求したことです。私どもの文化活動とか、社会的な働きをしている者の人間発達は、綜合的にされるべきものです。すべての今日の現実・・・ 宮本百合子 「社会と人間の成長」
・・・そして、はじめて八時間の労働、八時間の教育、八時間の休養を世界の労働者が要求してたった時であった。明治二十三年に日本では、それまでの自由民権運動を禁圧して、専制権力の絶対性を擁護した。この年に世界の国際メーデーがはじまっている。私たちはこん・・・ 宮本百合子 「女性の歴史」
・・・勤先の国立出版所から一ヵ月半休暇をもらってクリミヤの休養所へ行って居る。――どんなだって?――初めのうち大変よかったけれども、あとはそうでもないように書いてよこしました。でももう直きかえって来るでしょう。――どうして? よくなら・・・ 宮本百合子 「一九二九年一月――二月」
・・・へ二週間から一ヵ月、労働者を送って休養させる。 それから、ソヴェトでは女が生産単位としては全然男と対等な権利を有って、経済的に独立している。生産単位として女が全く男と同じ地位にいるという点で、その余のいろいろなものが、変って来るのは当然・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・そこへ、ソヴェト国家は、労働者の能率を増し、同時に健康な休養を与えるため、五日週間を採用した。五日週間によって、今までは二交代でやっていた工場も三交代で、運転するようになった。あれやこれやで、一九三〇年、五ヵ年計画がやっと第二年目を終ったば・・・ 宮本百合子 「なぜソヴェト同盟に失業がないか?」
出典:青空文庫