・・・そして、昭和十一年の調査によると、小学校を卒業した子供たちの就業する先は農業が第一位を占めていて、男子は十九万六千余人女児は十八万四千五百余人であった。 農家を維持するに必要な最小限の耕地面積は略一町七反であると云われている。 とこ・・・ 宮本百合子 「新しき大地」
いよいよ、四月十日も迫って参りました。私たち二千九十一万余人の婦人有権者は、生れてはじめて、自分たちの政治のために、一票を投じる日を迎えることとなりました。 婦人ばかりでなく、男の方たちにしろ、今度の選挙に対しては、こ・・・ 宮本百合子 「幸福のために」
・・・既に一九二八年には百三十六万五千余人が、完全に文盲をすてた。――都会人口の九三パーセント、農村人口の七九・四パーセントが過去の知的暗黒を追っぱらいつつあるのだ。――サア、本を! 新聞を!―― 字さえ読めればソヴェト同・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・卒業式の日に姿をみせなかったそれらの子供たちは、みんなどこかに働かされていて、日本の有識者年齢の最低十一歳までに四万六千余人、十三歳までの年で稼いでいるものが四十三万ほどある。この稚い働きての中で十一歳までのものでは、女の児が男児の倍の数を・・・ 宮本百合子 「国民学校への過程」
・・・手記をかいている少数の人々の生活でさえそうなのだから、その日その日を、どうかして生きつなごうという、もがきで疲れ果てている二十八万余人の人々の姿と心もちは、思いやられるのである。 生別、死別ということは、社会主義の世の中になっても人間の・・・ 宮本百合子 「『この果てに君ある如く』の選後に」
・・・ 昭和七年に比べると、志望者は七万余人、入学者は二万人近く増して来ていたのであった。 女戸主 選挙法の改正のことは、急に実現されないことになった模様である。 戸主という者が資格として語られはじめたとき、・・・ 宮本百合子 「今日の耳目」
・・・ソヴェト同盟に約三百二十万人勤労婦人がいます、三百万余人が職業組合員です、ソヴェトの指導的任務についているのが三十万千百人、そして十六万七千六人の婦人党員のうち五七・四パーセントは労働婦人です。 入ったところから、もう机だ。長い机が・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・それは殿様がお隠れになった当日から一昨日までに殉死した家臣が十余人あって、中にも一昨日は八人一時に切腹し、昨日も一人切腹したので、家中誰一人殉死のことを思わずにいるものはなかったからである。二羽の鷹はどういう手ぬかりで鷹匠衆の手を離れたか、・・・ 森鴎外 「阿部一族」
・・・道中の駅々では鞍置馬百五十疋、小荷駄馬二百余疋、人足三百余人を続ぎ立てた。 駿府の城ではお目見えをする前に、まず献上物が広縁に並べられた。人参六十斤、白苧布三十疋、蜜百斤、蜜蝋百斤の四色である。江戸の将軍家への進物十一色に比べるとはるか・・・ 森鴎外 「佐橋甚五郎」
・・・ンス本国から二十万人を、ライン同盟国から十四万七千人、伊太利から八万人を、波蘭とプロシャとオーストリアから十一万人、これに仏領各地から出さしめた軍隊を合せて七十万人に、加うるに予備隊を合して総数百十万余人の軍勢をドレスデンへ集中させた。そう・・・ 横光利一 「ナポレオンと田虫」
出典:青空文庫