・・・二様三様の心理は絡みあって、その持主たちを停頓させているばかりではない。この病的にあらわされている主我とその心理傾向は、主観において強烈でありながら、客観的には一種の無力状態であるから、より年少な世代の精神的空白をみたし、戦争によって脳髄を・・・ 宮本百合子 「現代の主題」
・・・ 歴史の或る時期に文化は本質に停頓しつつ、文学の購買力は高騰することがある。作家は、後者と自分の書く腕とを現象的に結びつけて、それを文学的な創作として自分にも云いきかせている危険はどこにもないと云えるだろうか。 今日の私たちにとって・・・ 宮本百合子 「作家と教養の諸相」
・・・この案が労働組合の不賛成で停頓したことは当然であった。ブルジョア婦人運動の時代は、日本の新民主主義の段階の到来とともに去って、再びかえらないのである。 婦人民主クラブはこれからも様々の場合にめぐり合うことだろう。全クラブ員が、日本の今日・・・ 宮本百合子 「三つの民主主義」
出典:青空文庫