・・・ 一九二〇年代のドイツは、左翼が活躍し、ドイツ共産党も公然と存在していた時代であった。その時代に育ったエリカ・マンが民主主義の精神をもち、日に日につのるナチスの暴圧に反抗を感じたのは自然であった。エリカ・マンは、はじめ小論文や諷刺物語を・・・ 宮本百合子 「明日の知性」
・・・というようなことも平然と書かれ、こんにち政府が共産党鎮圧の空気を挑発しているのと、おのずからマッチするようにあらわれて来ている。 わたしたちのファシズムとの闘争は、微に入り細をうがって、現実に密着したものでなければならないというのは、こ・・・ 宮本百合子 「新しい抵抗について」
・・・ ソヴェト紹介の文章そのものの率直さ、何のためらいもなく真直じかに主題にふれ共産党の存在にふれている明るさが、この事実を直截に示している。それからあとプロレタリア文化文学運動の圧殺されたのち、『冬を越す蕾』『明日への精神』が、辛うじて出・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第九巻)」
・・・その後野沢富美子さんは、さまざま生活の波瀾に苦しい経験を重ねた末、一九四五年共産党に入党した。それから結婚した。党員小池富美子として発表された「女子共産党員の手記」は、まだ多分に、この作者が幼時の環境からしみこまされていたアナーキスティック・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十五巻)」
・・・ 小説の冒頭には、ワシントン百年祭当日、アメリカの共産党によって指導された民衆の、中国から手をひけ、ソヴェト同盟を守れ、とスローガンをかかげた大衆的示威運動の光景が描かれ、チャーリー中野もそれに参加したと紹介されている。ニューヨークの反・・・ 宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
・・・自由党 一三六名 五名 計 一四一名進歩党 八七名 六名 九三名社会党 八四名 八名 九二名協同党 一四名 ナシ 一四名共産党 四名 一名 五名諸派 二九名 一〇・・・ 宮本百合子 「一票の教訓」
・・・ きのうも「共産党の婦人部がどう思ったってかまわないけれども云々」という風に云っていました。つまりあの党の本質上、決して、心から提携する感情はないのですから、自分のイニシアをよこからさらわれた形になったらよくないでしょう念のために。・・・ 宮本百合子 「往復帖」
・・・ 真面目な若い一人の特攻隊長が、自身の責任と人民の不幸とに刺戟されて、社会的解毒剤たる共産党に入党したという記事があった。若き率直さをほむべきかな。「選挙対策」に腐心して、一歩一歩人民の真の必要から離れつつある政党の首領たちは、その一歩・・・ 宮本百合子 「女の手帖」
・・・という表現が加えられた。共産党以外の諸政党における婦人代議士たちの立場は、あくまで女は女らしく、添えものとして扱われている。 こういう日本の古い、不親切な婦人への考えかた、感じかたは、一般女性の日常生活にもっと深刻に影響している。 ・・・ 宮本百合子 「「女らしさ」とは」
・・・けれども、エンゲルスの意見でこの問答体の書きかたが変更され「共産党宣言」として「共産主義者の政策をのべる」ことが決定された。第二回のロンドン大会に出席したマルクスは、共産主義者同盟の名によって「共産党宣言」を起草することを頼まれた。一八四八・・・ 宮本百合子 「カール・マルクスとその夫人」
出典:青空文庫