其れかあらぬか
1 そのためかどうか。「—此頃…帰宅 (かえり) が遅くなって」〈魯庵・社会百面相〉 2 そうであるか、そうでないか。「去年 (こぞ) の夏鳴きふるしてしほととぎす—声のかはらぬ」〈古今・夏〉
其れから其れと
物事が引き続いて起こるさま。次から次へと。それからそれへと。「—話を移す」
其れから其れへと
「それからそれと」に同じ。「—用を言いつける」
其れから其れまで
そうなったらそれまでのことだ。しかたがない。「これ程までに言うてみて、聞かずば—よ」〈浮・御前義経記・六〉
それ来た
待ちかまえていたものが来たときに発する言葉。「『ライト、大きいぞ』『—、任せろ』」
それ御覧
「それ見ろ」「それ見たことか」を穏やかにいった言葉。「—、切符は売り切れてたでしょ」
其れというのも
前に述べた事柄を受けて、その原因・理由についての説明を次に述べることを示す。そのわけは。なぜならば。「あの家は何か変だ。—人が出入りするのを見たことがない」
其れにつけても
あとの事柄を、前述の事柄と特に関連づけて導くときに用いる。そのことと関連しても。「—一度連絡したほうがよい」
其れにとりて
その場合でも。そのうちでも。「—、三つの石を捨てて十の石につくことは易 (やす) し」〈徒然・一八八〉
其れに引き替えて
これから述べることが前に述べたことと対照的であることを示す。それに比べて、まったく異なり。それにひきかえ。「長男は健康そのものなんだが、—次男のほうは病弱でね」