・・・鎌倉に住む作家で、その老紳士と交際のあったらしい里見、久保田万太郎に『読売』がインタービューしたとき、作家の立場として、由起しげ子の小説と結びつけてさわぎにすることの間違いは力説されなかった。久保田万太郎は、「近く『あきしお』という小説をか・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・という冒頭の一句から全篇二十三ヵ条にわたって真に心と肉体の健やかで人間らしい娘、妻、母を生むために必須な社会向上の要点を力説しているのである。 中島湘煙が、いいといった昔風な家庭の土台をなす益軒流の観念に対して、諭吉は歯に衣をきせず「女・・・ 宮本百合子 「女性の歴史の七十四年」
・・・ジダーノフがその報告のなかで、現代ソヴェト作家が、これらの民主的文学の業績を、健全に発展させるようにと力説していることは、当然の上にも当然である。ソヴェトの社会はその諸現実でレーニン、スターリンの時代と経てきた。スターリンの文体は、その明確・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・ 折から叫び出された文芸復興の声は、その手足をかがめて沈み込んだ状態に耐えられなくなりかけていたブルジョア作家たちの声を合わせて、文芸を復興させよ、特に純文学を復興せしめよと力説させた。このことは、市場としてのジャーナリズムの上をほとん・・・ 宮本百合子 「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」
・・・ 去る十二月二十日に行われた東京ユネスコ協力会発起人会で招請状を出した新居格氏は、ユネスコの本質上この会は会員の純潔な良心に期待しなければならないと力説されました。発言した方々のすべてのことばはここに一致していました。その会の委員として・・・ 宮本百合子 「一九四七・八年の文壇」
・・・はこの点を力説しています。しかし、発展的に推進する人間性そのものの自然な姿、その精神と肉体との過程としての人生とその芸術を考えたとき、たとえ、私たちの闘うべき封建性にたいしてであったとしても、単に反措定的存在に止るということは、それ自体一つ・・・ 宮本百合子 「一九四六年の文壇」
・・・の中で、繰返し繰返し組織のデモクラシーを、ボルシェビキ的指導で貫徹することの絶対的必要を力説している。 最後に、これらの批判中に示されている中條の論文と指導部との関係についての関心に対して一言したい。 同志神近は、中條の「左」への危・・・ 宮本百合子 「前進のために」
・・・が再吟味されなければならないことを力説している。「舞台から美を追っ払え!」というローズング〔スローガン〕がソヴェトには久しい前からある。ブルジョア演劇の、必要以上にでかでかと金をかける舞台装置や女優の衣裳への堕落した習慣に反対して云われ・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
・・・ということを力説したかったとのべている。これは、当日徳永直の報告および提案が時間にせかれて充分説明するゆとりがなかったことを意味している。 大会のその日、徳永直はこまかく準備して来ていて、彼の「勤労者文学」を規定する社会的基盤の図表を示・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
・・・を力説した菊池寛、中村武羅夫等の人々が、この時期に率先して文化の軍事的目的のために奴隷化をあっせんしたことは歴史的な事実となった。また、プロレタリア文学理論に反対して「文芸復興」を主張した林房雄などが、いち早く上海でビールに酔って報道記を書・・・ 宮本百合子 「年譜」
出典:青空文庫