-
・・・小さいながら、年相当一人の紳士とし、又は淑女として、両親の教育は次第に理智的、実際傾向を加味して来るのです。 可愛ゆいと云っても、徒に贅沢な着物を着せるではなく、ちやほやするではなく、たとい転んで泣いても自分で起きさせ、自分で壊した玩具・・・
宮本百合子
「男女交際より家庭生活へ」
-
・・・というある意味での現代図絵に、そういう面白さも加味しようと意識されたのであれば、やはりその面白さの試みは、作品の真のテーマと游離した結果になっている。この小説で作者の語ろうとするテーマは、朝田医院主及びそれをとりまく一群の現代的腐敗、堕落を・・・
宮本百合子
「文芸時評」