・・・自主的なこういう文化活動がどんな価値高いものであるかということは革命後十四年目の今日、ソヴェト文壇の新進作家達が殆ど皆、勤労大衆の中から出た労農通信員、それでなければコムソモール出の人々であるのを見ても判る。こういう人達の作品は題材に於いて・・・ 宮本百合子 「ソヴェト「劇場労働青年」」
・・・だが、そのほかにサークルの人々の文筆的な表現は職場の壁新聞に生かされることができるし、労農通信という方向で、どう生きてゆくかというその問題にたってひらかれてゆく可能もある。 現在いろいろな成員をもっているサークルの、どこかで流通のとどこ・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
去る二月二十日、暴虐なる天皇制テロルによって虐殺されたわがプロレタリア文化・文学運動の卓抜なる指導者、組織者、国際的規模におけるボルシェヴィク作家、同志小林多喜二の全国的労農葬は、プロレタリアの恨みの日三・一五記念日を期し・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価に寄せて」
・・・本みたいに労働者農民の政治的自覚がヨーロッパ戦争後世界経済界の変遷につれて急速に進展したところでは、プロレタリア文学発育の時間的に短い過去の中に極めてテンポの速いイデオロギー的躍進がつつみこまれてる。労農芸術家連盟が分裂して脱退派が前衛芸術・・・ 宮本百合子 「ニッポン三週間」
・・・旧労農党時代からだ。近隣の三部落も全農支部を組織して勇敢に闘争している。中でもこの部落は四・一六と二・一六とに犠牲者を出した。組合員は地主との闘争の焦点をハッキリ土地問題において勇敢にやっているのだ。部落の小作料はもう五年間も未納だ。 ・・・ 宮本百合子 「飛行機の下の村」
・・・に就いて、どんな階級的批判をも加えず、書立てているのも社民・労農大衆党と等しく、民主主義者と云うものはブルジョアの使傭人であることをなによりも雄弁に示している。これ等の実例でも明かのように、文化芸術に於けるファッシズムは決して或る限界線の向・・・ 宮本百合子 「ブルジョア作家のファッショ化に就て」
・・・そして、労働党も日本の資本家御用労農大衆党と同じファシズムに対して何の反撥力もない連中であることが曝露した。 日本の婦人参政運動者をよろこばせた婦人労働大臣ミス・ボンフィールドはどうなっただろうか。彼女が持っていたかも知れない小さい人道・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
・・・1、2、と読み進むにつれ、映画のクローズ・アップのように一連の文句が目の前に浮び上った。労農大衆党の黄色い卑屈なスローガン「戦線拡大反対」という文句だ。 作者が大いに視察記録しようと出かけた意気込みは、ほのかに分る。が、いざ実際、組織強・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
一九三一年五月は、日本のプロレタリア文学運動の歴史にとって、一つの記念すべき月だった。 中旬に、労農芸術家連盟が第三次の分裂を行った。脱退した細田源吉以下十一名はすぐ前線作家同盟を組織した。 だが数日のうちに組織の・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
・・・ 大正年代には婦人参政権運動の一群の進歩的な婦人たちと並んで、労農党の一翼として、婦人同盟という進歩的な婦人の団体があった。この団体は、婦人の政治上の権利の平等を主張すると共に、婦人に経済的独立の可能を与えよと熱心に提唱して、女性が社会・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫