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・・・漢文体なぞが行われてはいるが、それはある時代のある人々の心から、必然に生れ出た文章であって、決してわれ/\新時代の人の新しい心の表現の範とすべきものでない、われ/\は鉋迄もわれ/\の新しい思想や感情に即することによって、新しい文章を作らねば・・・
小川未明
「文章を作る人々の根本用意」
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・・・のない独特の波瀾を経験するものと思われるが、万人の心に生々しい最近の敗北の結果、日本の労働者階級の歴史の若さから生じた所謂観念的な傾向への反省が一種の感傷さえ伴って、今日では大衆の日常性、大衆の現実に即すという方向へ、どっと傾いている。・・・
宮本百合子
「全体主義への吟味」