・・・更には、存在の無意義さによって解消しつつある厚生省が、社会施設として、それぞれの地区の住民に欠くべからざる托児所、子供の遊場をこしらえる力さえなかったことに向って、警告が与えらるべきであったと思う。日本婦人協力会というような、戦争協力者の集・・・ 宮本百合子 「石を投ぐるもの」
・・・一九四六年のはじめに、仕事の必要からいくとおりかの統計が必要となって、内務省、厚生省、文部省その他を求めさがしたが、それらのすべてのところで与えられた答えは一つだった。何しろ戦争中は、統計がとられなかったので、と。もちろん、戦争の間にとられ・・・ 宮本百合子 「現代史の蝶つがい」
・・・ 青少年を護る 青少年工がこの頃の景気の中で、とかく誘惑に負け、その青春を蝕ばまれるのをふせぎ又指導するために、厚生省が産業報国の機関を動員して、優良会員数名ずつを行動隊に組織し、工場地帯、玉の井、亀戸その他の・・・ 宮本百合子 「女性週評」
六月五日の読売新聞に「女工哀史の寄宿舎通勤制に」という記事が出ていた。 経済再建のトップに立つ日本の紡績界の半封建のままの少女労働の搾取に対して、厚生省が、一、女工寄宿舎制度の撤廃、二、遠隔地からの女工員募集禁止、三、・・・ 宮本百合子 「その檻をひらけ」
・・・本年の初め、厚生省の監督課谷野せつ子氏の調査が某新聞に発表されたとき、その第一の項には、工場の働きが若い女の体を蝕むことの訴えがのせられていた。三年間ぐらいは、それまでの生活から貯えられていた健康でどうやらもつが、四年目から非常に健康をそこ・・・ 宮本百合子 「働く婦人」
・・・けれども厚生省はそのことについて、決して公平な見解を発表しなかった。公平な施設を急いで作る方向へと、輿論を起さなかった。驚くべきことは、統計局でさえも、昭和十八年以降は世間に向って発表すべき正確な統計を、あらゆる部面で持っていないということ・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
・・・ 二 家賃 おそろしい住宅難の折から、きのうきょう厚生省と警視庁との意見にくいちがいが示されている適正家賃算出法の問題は、日本全国の借家人が注意をあつめて成行きを案じていることがらだと思う。 日本全国の人口・・・ 宮本百合子 「私の感想」
出典:青空文庫