・・・として最も大きい飛躍をとげる原動力は、青年たちと婦人たちでなければならない。 学生の政治活動が見られるようになり、各種の組合青年部が活溌となって来ているには、抑えることの出来ない必然がある。未来はわれらのものなり、というとき、青年たちの・・・ 宮本百合子 「現実の必要」
・・・砂漠と根雪の上に文化の光がさした時、そこにはハッキリその文化をもたらした原動力プロレタリア、農民のための階級的指導力が根をおろしているのだ。 この表でも分るように、例えば婦人の文盲率の最も高いトルクメン、キルギース、ウズベクでさえ、一九・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・そして、やはり、判断と行動との原動力を、常に「どうしてもしなければならないという感じ、その感じに押出されて歩く」ものとして捕えているところも、私たちにさまざまのことを考えさせる。 スーザンの心の波は慎重に誠意をもってたどられており、作者・・・ 宮本百合子 「『この心の誇り』」
・・・という作品は、小市民としてのインテリゲンツィアとその庶民風な親族との家庭生活のいきさつを描いたものであったが、民衆生活の内に齎らされた知性を、それによってより光明的な方向に生活を押しすすめて行くべき原動力としての関係において描かず、周囲の自・・・ 宮本百合子 「今日の文学の展望」
・・・日本の情勢の下にあって、運動をますます強め、ますます広汎ならしめる唯一にして無二の原動力なのである。 かかる意味において、われらは同志小林の闘争の生涯がボルシェビキ的強情さによって貫徹され、高き規範を示したことに無限の敬意を捧げるのであ・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価に寄せて」
・・・ 若いときから、彼女が働く原動力になっていた意地も何も、皆どこへか行ってしまって、あんなに祈願をこめても利益を授からない神様にもほとほと愛想をつかしている今、彼女はただ毎日をどうやら生きてさえいればいいだけである。 いろいろな口実を・・・ 宮本百合子 「禰宜様宮田」
・・・ という問いこそ、その人自身を成長させる原動力だし、社会をすすめてゆく潜勢力ではないだろうか。 若い女性たちが、来年の春、おそらくは未曾有の数で職業についたとき、そして、半年か一年か経過したとき、その娘さんたちの心にははたしてどんな何故・・・ 宮本百合子 「働く婦人の新しい年」
・・・ 外廓を廻って叫んでも、原動力とはなりません。例えば、民法第十四、五条、第七百八十八条、七百八十九条、八百一条、第八百十三条、最も注意すべき、刑法第百八十三条等に就いて何とかなさるべきであるとは感じてもそれ等を、自分達の問題として、適切・・・ 宮本百合子 「法律的独立人格の承認」
・・・従って、新しい勤労人民階級がその原動力とならなければならない関係に立っているのである。 民主戦線といい、人民が自身の幸福への道として民主なる共和政府を設計することは、一つの社会発展の足どりとなって来ているのである。 細々として日常生・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
・・・すなわち維新の原動力となった尊皇の情熱を、維新の当時に吹き込まれた。言いかえれば、政治の実権を武士階級の手に奪われてただ名目上の主権者に過ぎなかった皇室、その皇室に対する情熱を吹き込まれた。かくて父は、ちょうど頼山陽がそうであったように、足・・・ 和辻哲郎 「蝸牛の角」
出典:青空文庫