げんしせいジェット【原始星ジェット】
原始星から放出される細く絞られた高速のプラズマ流。ガスや塵 (ちり) が原始星に集まって円盤状になり、円盤と垂直な方向(原始星の回転軸の両極方向)に吹き出す。磁場とプラズマの相互作用によって加速されると考えられている。速度は毎秒数百キロメートル程度で密度は低い。原始星から離れるに従い、周囲の物質を引きずって低温、高密度な双極分子流となる。この二次的に形成された双極分子流を原始星ジェットと呼ぶこともある。
げんしたいようけいえんばん【原始太陽系円盤】
太陽系天体誕生の前段階にあったとされる太陽周囲の濃いガスと塵 (ちり) からなる円盤。原始星円盤の名残であり、円盤の中では直径10キロメートル程度の微惑星が形成され、衝突や合体を繰り返して原始惑星や惑星に進化したと考えられている。現在の小惑星帯よりも内側では岩石や金属などの比率が高い地球型惑星が作られ、外側では質量が大きくガスの比率が高い木星型惑星ができ、外縁部には微惑星などが太陽系外縁天体としてそのまま残ったとされる。また、他の恒星の惑星系の場合は原始惑星系円盤と呼ばれる。原始太陽系星雲。
げんしたいようけいせいうん【原始太陽系星雲】
⇒原始太陽系円盤
げんしわくせい【原始惑星】
原始惑星系円盤の中で形成される惑星の前段階にあたる天体。直径10キロメートル程度の微惑星が衝突や合体を繰り返し、月程度の大きさになったものを指す。この原始惑星を核としてさらに周囲の微惑星が集まり、惑星へと成長すると考えられている。
げんしわくせいけいえんばん【原始惑星系円盤】
恒星誕生の前段階にあたる牡牛座T型星の周囲にある濃いガスと塵 (ちり) からなる円盤。原始星円盤の名残であり、円盤の中では直径10キロメートル程度の微惑星が形成され、衝突や合体を繰り返して原始惑星や惑星に進化すると考えられている。また、太陽系の場合は原始太陽系円盤と呼ばれる。原始惑星系星雲。
げんしプログラム【原始プログラム】
《source program》⇒ソースコード
げんしじゅうりょくは【原始重力波】
インフレーション宇宙論から導かれる時空構造のゆらぎに伴う重力波。宇宙創成直後に生じた量子ゆらぎが時空構造に作用し、インフレーションによる急激な加速膨張によってゆらぎが拡大され、特有のパターンをもつ重力波となると考えられている。インフレーション宇宙論によれば、宇宙背景放射にBモード偏光という原始重力波に由来する偏光が存在すると予想されている。
げんしせいしょくさいぼう【原始生殖細胞】
⇒始原生殖細胞
げんしちゅうせいしせい【原始中性子星】
太陽の8倍以上の質量をもつ恒星の寿命が尽きるときに、重力崩壊によって中心部に形成される天体。高温・高密度の状態で、内部に大量のニュートリノが閉じ込められている。これが外部に放出され、超新星爆発を引き起こすと考えられている。
げんしブラックホール【原始ブラックホール】
宇宙創世直後に生成したと考えられる、天体起源ではないブラックホール。まだ観測による証拠は得られていない。インフレーション宇宙論から導かれる時空構造のゆらぎにより、とくに高密度の領域で形成され、非常に軽いものはホーキング放射によって蒸発する。月よりも軽い程度のものは暗黒物質の候補の一つと見なされている。