・・・これはロベール・デスノという人の原詩を脚色したものだそうであるから、原詩をよく味わった人にはあるいはいくらかおもしろいかもしれないが、われわれにはそんな知らない原詩のある事がかえって鑑賞の邪魔になっているわけである。これで思い出すのは、いつ・・・ 寺田寅彦 「映画雑感(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
・・・ けれども、これをバイロンの原詩と比べて見ると、其の云い方が大変違う、原文の仄起を平起としたり、平起を仄起としたり、原文の韻のあるのを無韻にしたり、或は原文にない形容詞や副詞を附けて、勝手に剪裁している。即ち多くは原文を全く崩して、自分・・・ 二葉亭四迷 「余が翻訳の標準」
出典:青空文庫