一、反戦文学の階級性 一 戦争には、いろ/\な種類がある。侵略的征服的戦争がある。防禦戦がある。又、民族解放戦争、革命も、そこにはある。 戦争反対の文学は、かなり昔から存在して居るが、ブル・・・ 黒島伝治 「反戦文学論」
・・・ニューヨークの反戦デモに参加するばかりか、中野は三十年間転々としてアメリカであらゆる労役に従事していた間に、鉱山の大ストライキにプロレタリアとして夜も眠らず働いたことがある。なおかつ現在では自分の周囲におけるアメリカの子供の中からピオニイル・・・ 宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
・・・写実主義時代の日本の民主的な文学、浪漫主義時代の作家によってかかれた反戦的な作品は、ここに見当らない。しかし、われわれがこんにちと明日の日本の文学を真すぐにのばしてゆくためには、小田切秀雄著「発禁作品集」、宮武外骨の「筆禍史」をも十分研究し・・・ 宮本百合子 「「現代日本小説大系」刊行委員会への希望」
・・・ しかも毎日新聞では「反戦・反軍をあおる少年の犯罪が激増しており」それらの子供たちの「逮捕留置」が、いまの少年法では困難だ、と論じられている。わたしたち日本の人民は目を大きくあいて、この一行をよむべきである。東條内閣のとき、反戦・反軍を・・・ 宮本百合子 「修身」
・・・が字づらの反戦小説でないだけ、その具体性はつよく深く憤りまでつきぬけた人民としての作者の現実理解に裏づけられなければならないのである。〔一九四七年三月〕 宮本百合子 「小説と現実」
・・・日本に戦争反対の心がなかったかといえば、小田切秀雄の「反戦文学の研究」をみてもわかるとおり、いつもときの戦争に反対した人道的な精神はありました。天皇制の権力はそういう文学を非国民の文学とし最近の数年は治安維持法でとりしまりました。外国の人々・・・ 宮本百合子 「戦争と婦人作家」
・・・ 一部過激学生の 反戦平和運動に利用されるからと云って。 内田祥三 宮本百合子 「東大での話の原稿」
出典:青空文庫