・・・もしわれわれが本当に人間として基本的なものだけは守り通すという決意をもち、それが実践のためには牢獄と死をさえ辞せないだけの強い意志だけあれば、必ず我々はこのようなお調子にのった今日の右翼攻勢を粉砕しうる時はくる。」しかし、「戦術的には従来の・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・ルール地方の有力者、シューマン仏外相、国民党右翼の暗殺団C・C団の指導者陳立夫などの熱烈な支持をうけている。ブックマン博士の「新世界創造の闘争綱領」というものには、「民主主義のためのイデオロギー」として「霊感的民主主義」を必要として「かつて・・・ 宮本百合子 「再武装するのはなにか」
・・・地方にも都会にも様々の形で各機構に入りこんでいる右翼くずれ、特高の変形は、人民の統一行動を攪乱するのが唯一の任務であるから、一見勇敢な闘士めいて、どういう挑発をしないものでもない。もし人民が、現在日本政府は武力をもっていないという公の建前を・・・ 宮本百合子 「人民戦線への一歩」
・・・ × 後、常任中央委員会によって確乎周密な「右翼的偏向に対する決議」が発表された。 三月号『プロレタリア文学』が敵に奪われたため「前進のために」は時間的に前後した観があるが、内容は今日においても十分積極的意義・・・ 宮本百合子 「前進のために」
・・・ 最近彼が行った右翼日和見主義との闘争は、同志小林がどんなに正しくレーニン主義的党派性というものを理解し、同志蔵原の実践を発展させているかということを示す、ねうち高いものである。 三月号『改造』に同志小林は「地区の人々」という小・・・ 宮本百合子 「同志小林多喜二の業績」
・・・加盟の各団体およびその同盟員によって執筆、刊行された同志小林に関する諸文献を仔細にしらべて見ると、それらのあるものも、やはり同様な文化主義的傾向や右翼的逸脱への危険を示していることを発見する。 これらに対する批判的追補として『プロレタリ・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価に寄せて」
・・・既に一九二七年、右翼的固執を示した労芸の内部の情勢が三年間停止している筈はない。前田河が発表するプロレタリアート文学に対する感想は、モスクワで読むからばかりでない、どこの工場の隅で読んだって明かな悲しき反動にまで発育していた。其イディオロギ・・・ 宮本百合子 「ニッポン三週間」
・・・のありがたさに対する利用価値とが、からみあって、いつも右翼の財力にひっかかっています。いつか平民になった皇族たちの職業しらべがでていましたが、ほとんど大部分が「何々の宮」という看板を貸して、かげの闇めいた儲けでやしなわれている状態でした。・・・ 宮本百合子 「ファシズムは生きている」
・・・のである。 第三次の分裂で、「文戦」には前田河広一郎、青野季吉、金子洋文その他が残った。 一九二九年から世界経済恐慌につれて高揚して来た日本の階級闘争の現実に向って、「文戦」の右翼民主主義偏向はごまかしきれなくなって来た。プロレタリ・・・ 宮本百合子 「文芸時評」
・・・同じグループの児玉誉士夫というのは児玉機関といわれた特務機関のような一種のファシズムのボスですが、彼は或る種の右翼的な作家、名前をいうことを止めますが、そういう作家達と近い関係にあったという話があります。 すべてのこういう事情はこんにち・・・ 宮本百合子 「平和運動と文学者」
出典:青空文庫