・・・ シェークスピアのリアリズムは、彼の生きた十六世紀の半ばから十七世紀のはじめにかけてのヨーロッパ社会と各層の人間の活躍の可能と限界とを、あますところなく語っている。明日のわれわれのリアリズムも、こんにちのところではまだわたしたちがそれを・・・ 宮本百合子 「文学と生活」
・・・社会主義的生産にすすんでゆこうとする労働者階級の歴史的行動はそのような社会でこそ全人民生活がより人間らしいものになるから民主革命における労働者階級の先進性による社会各層の統一戦線もうまれる。 私たちの民主革命に関するいろいろの感情はその・・・ 宮本百合子 「三つの愛のしるし」
今日、山本有三氏の読者というものは、随分ひろい社会の各層に存在していることであろうと思う。 大仏次郎氏などの作品も、吉屋信子氏が読まれるとは別のところに多くの読者をもっていることでは、山本有三氏と同様であろうが、作者と・・・ 宮本百合子 「山本有三氏の境地」
出典:青空文庫