・・・極度の場合においては、国庫の出納を毫も増減せずして、実際の事は挙行すべし。 その法、他なし、文部省、工部省の学校を分離して御有となすときは、本省においては、従来学校に給したる定額を省くべきは当然の算数にして、この定額金は必ず大蔵省に帰す・・・ 福沢諭吉 「学問の独立」
・・・そういう経験をもっていて労働者農民の国ソヴェト同盟の暮しを見たのだから、プロレタリアートの国ソヴェト同盟では、国庫全額負担の失業手当があり、養老保険があり、小学校から大学まで労働者にとっては無料であると語る時、なみなみでない情熱が感じられ、・・・ 宮本百合子 「共産党公判を傍聴して」
・・・クラブ 七六四六農民の家 六八二〇――国庫全額負担の小学校―― さて、一九一七年の十月のプロレタリア革命の後、ソヴェト同盟で、子供はどう教育されて行くかということが、世界各国からの、鋭い興味・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・学校の入費の何割が国庫で負担されることになるのだろうか。この点に切実な生活からの要望があると思う。六年で尋常が終ったときでさえ中途でやめて小学校さえ出ていない少年少女は、物心づいて周囲を見まわしたとき、無限の悲しさと寂しさとひけめとを感じた・・・ 宮本百合子 「国民学校への過程」
・・・ 本年度の国庫予算は六月下旬に議会を通過した。総額三、九九三億円である。前年度の予算総額は二、一四三億円であった。ほとんど倍額に近いこの予算総額は、最近における日本のインフレーションのすくいがたい悪化を物語っており、同時に一般人・・・ 宮本百合子 「今日の日本の文化問題」
・・・プロレタリアート新文化建設の一進展として、文部省は五ヵ年計画の終りには完全な国庫負担による四年制の全国民教育を実施しようとしているのであります。 飛び交う数字と一種名状すべからざる緊張した熱意で飽和している空気の中をそっと、一人の婦人党・・・ 宮本百合子 「三月八日は女の日だ」
・・・九年制にしてどの子供もその間は勉強出来るように国庫がその保証をしてやらなければこのインフレーションの中で月謝を払い御飯を食べさせ学用品を買ってやるということは益々貧困化して来ている親の多数にとって負担である。 文部省にこの実状がわかって・・・ 宮本百合子 「女性の歴史」
・・・の文化建設プランの中で、ソヴェト同盟は三十四億七千六百留を、全同盟の国庫負担四ヵ年義務教育実施のために支出している。 社会主義建設の技術家を 男から! 女から! 現在のソヴェト同盟の、どん・・・ 宮本百合子 「砂遊場からの同志」
・・・ 小学校、工場附属技術学校、いずれも国庫および職業組合の負担で、プロレタリアートの児童のために開放されている。 特にピオニェールは、プロレタリア階級の前衛として社会主義社会建設と拡大とのために必要なあらゆる注意のもとに教育されつつあ・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・ソヴェト同盟では全額国庫負担の小学教育を実行しようとしています。学用品から弁当、寒いところだから必要な防寒具まで小供のためには国家が出そうとしている。母親として、誰がこのことに冷淡でいられましょう! 住居のことがある。ソヴェト同盟ではど・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の婦人と選挙」
出典:青空文庫