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・・・ こういう生活地力の方からの大衆的感情、感覚なしに、作家や評論家が従前のとおり大衆対作家・評論家というような位置を仮想しつづけて、どういう作品を大衆に与えるか、という風に問題を出したのでは真の大衆化はないし、文学における人間性の再表現も・・・
宮本百合子
「今日の文学に求められているヒューマニズム」
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・・・ 私は、小説を書いてゆく地力の骨組みを強くする意味からも、適当な機会に評論風な仕事に於いて自分をもっと鍛煉してゆきたいと希望している。はじめは随筆も入る予定であったので、昼夜随筆という題を思いついたのだが、急に頁の都合で随筆の部分が入ら・・・
宮本百合子
「序(『昼夜随筆』)」