・・・あとをまだまざまざと感じているヨーロッパの人々、特に青年はジャックの上に、自分たちの物語のいくつかの断片を実感し、不安に空気をゆすぶっている嵐の前兆に対して自分の青春の価値と意義を最も自覚のある方法で堅持しようとしたのであった。 ヨーロ・・・ 宮本百合子 「生きつつある自意識」
・・・これからの幾波瀾のなかで、あなたの鉛筆、そしてわたしたちすべてのものの鉛筆が、真に懐中するに足りるものであるためには、どれだけかの勉学と堅持とがいることでしょう。詩人よ、すぐれた天質を高めよ。詩が理性のうたであるときいて、しりごみした旧い詩・・・ 宮本百合子 「鉛筆の詩人へ」
・・・日本のわたしたちが国連を支持するとならば、それは国連の良心を支持し、それを堅持させるように努力することしかない。国連憲章は第二条第四項で、領土保全と政治的独立に対して武力をもって脅威することを禁じている。第七項にその国の内政に干渉する権能を・・・ 宮本百合子 「世界は求めている、平和を!」
・・・そして、西ヨーロッパの明日の運命に対して、最も重大な関係をもっているフランスの民主精神堅持のために、こんにち根づよい芸術家である彼と彼の文学を愛する人々は、どのように働いているかということである。〔一九四九年八月〕・・・ 宮本百合子 「脈々として」
出典:青空文庫