・・・こんにちの社会と文学の話として、なっとくしようとすれば、田村泰次郎が、きょうのすべての彼自身の現実について修正声明ぬきに、その意図として「『罪と罰』『ボァリー夫人』『女の一生』『凱旋門』に通じる道がひらけるに違いない」と確信しているというこ・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・という一九三六年の声明に絶えずうなされながら猶且つ一般の国民の祖国を愛する真情に対しては第五列の意味をもっているケリリスの活動やドーデの活躍に余地を与えなければならなかった原因は、フランス経済・政治のどんな紛乱からであったかという事実までを・・・ 宮本百合子 「今日の生活と文化の問題」
・・・ 最近、五ヵ年計画の文化事業の一つとして劇場組織の大変革が声明された。СССРの全劇場を人民文化委員会の芸術部、職業組合、集団農場、中央部の完全な共同管理の下におくこと。劇場中心を、生産労働区域に移動さすこと。 これは、ソヴェトにお・・・ 宮本百合子 「三月八日は女の日だ」
・・・の用意があると首相が声明し、それをのせたのは読売新聞であり、他新聞は、自殺説・他殺説それぞれの客観的根拠を語っているが、読売の記事は一貫して犯罪性を濃く表現し、しかもそれを何のよりどころもないのに共産党、組合と結びつけている傾向が露骨である・・・ 宮本百合子 「「推理小説」」
・・・そう迄決心したら其もよかろうと云ったら、それはぐらりとかわって声明となってあらわれた。「森山啓さんも絶版になさるそうですね」「へえ? そんな本があるのかい?」「社会主義リアリズムが気になっているそうです」 文芸家協会へ行・・・ 宮本百合子 「一九三七年十二月二十七日の警保局図書課のジャーナリストとの懇談会の結果」
・・・しかし日本の人民自身は、世界に向って戦争放棄を声明した。自分たちがまた再び外からの強権によって、死ぬる場所に追い立てられることは欲していない。愛するものを死なせる女たちではあるまいとしている。アジアの敵であり、日本人民の生命を売るものとして・・・ 宮本百合子 「戦争はわたしたちからすべてを奪う」
・・・科学者たちが、適切な共同声明を発表しているのに、文学者は、なぜそのようにあっさりと、はっきりと行為しないのでしょうか。このことについてしきりに考えます。2、吉田首相は「放談」ぐせがつきすぎました。タイコモチにばかりかこまれて、半面自分自・・・ 宮本百合子 「戦争・平和・曲学阿世」
・・・人々が誠意をもって、少数者の利益のためにでっちあげられる戦争に反対を声明し、日本の人々をこめる世界の人民の平和を護ろうとするならば、こんにちの日本の現実において、もっとも発端的な人権に加えられているでっちあげを徹底的に排除しなければうそであ・・・ 宮本百合子 「それに偽りがないならば」
・・・だって、プロ文士と云ったって、所謂社会主義だって国家主義から共産主義までの間に種々雑多な日和見主義、民主主義がはさまって、何れも顔付だけは一廉何か民衆解放に貢献するみたいに声明してはストライキを売ったりしてるのと同様だ。一口に云えぬ。まして・・・ 宮本百合子 「ニッポン三週間」
・・・世界の良心ある人々は、日本の代表的立場の婦人たちが平和を守ろうとして、その決意を示した声明をうけとって、はじめて彼らと共通な日本のヒューマニティというものを実感しただろうと思う。『女性改造』が、五人の婦人たちの声明を中心に、平和への希望のた・・・ 宮本百合子 「平和の願いは厳粛である」
出典:青空文庫