・・・トが再び世に臨り給う時に彼と共に地を嗣ぐことを得べければ也とのことである、地も亦神の有である、是れ今日の如くに永久に神の敵に委ねらるべき者ではない、神は其子を以て人類を審判き給う時に地を不信者の手より奪還して之を己を愛する者に与え給うとの事・・・ 内村鑑三 「聖書の読方」
・・・ヒューマニティーの奪還、生命に蒙った脅迫への復讐として、あらゆる破滅の瞬間にも自身のものとして確認された肉体によって、現実にうちあたって行こうとする主張に立った。しかし、日本の不幸が男女のどんなからみ合いの過程から、うち破られてゆくだろう。・・・ 宮本百合子 「傷だらけの足」
・・・工場の技師、関係トラストの支配人、古参な職長一味が何とかして、ソヴェト権力の認めた労働者の工場管理権を、自分達の手で、ブルジョアへ奪還したいと思う。反革命的策動が組織された。労働者出の工場管理者を、いろいろなことで工場内の反革命分子がいじめ・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・中旬に麹町署に検挙されている宮本顕治の奪還計画というものが新聞に公表された。二三日たって私が検挙された。二月。作家同盟解散。六月。一月以来駒込署、小松川署、杉並署、淀橋署と移されていたが、六月十三日、母危篤のため急に帰された。肺壊疽・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・原稿はそのままリヴォフ市にのこされ、リヴォフ市が赤軍に奪還されるまで四ヵ年ちかくかくされたままであった。「湖水の星」は、ナチスの侵略で旧いポーランドの権力が崩壊し、西部ウクライナが解放され、そこに新しい農地と新しい人間関係が生れいく姿が描か・・・ 宮本百合子 「ワンダ・ワシレーフスカヤ」
出典:青空文庫