やっこあたま【奴頭】
1 江戸時代、奴2などが結った髪形。月代 (さかやき) を広く深くそり込み、両方の鬢 (びん) と後ろの頂に残した髪とで髷 (まげ) を短く結んだもの。 2 江戸時代、幼児の髪置きのとき、左右の耳の上と頭の後ろにだけ毛髪を残して他をそったもの。また、その頭髪。
やっこおどり【奴踊(り)】
民俗芸能の一。奴2の姿に扮 (ふん) し、素手や毛槍・さおを持って踊るもの。歌舞伎舞踊にもある。
やっこことば【奴詞】
江戸時代、奴2や侠客 (きょうかく) が使った言葉。「涙」を「なだ」、「冷たい」を「ひゃっこい」、「事だ」を「こんだ」という類。六方詞 (ろっぽうことば) 。
やっこさん【奴さん】
[名]折り紙で、奴2の形に折るもの。 俗曲。江戸末期に願人坊主が踊り歌として広め、のちに寄席や花柳界で流行した。踊りを伴うことが多い。 [代]三人称の人代名詞。同等以下の人を軽んじたり、親しみを込めたりしていう語。あいつ。やつ。「—、最近元気がないね」
やっこしまだ【奴島田】
髷 (まげ) の根を高く結った島田髷。江戸中期から明治初期にかけて成人前の女性に流行した。
やっこそう【奴草】
ヤッコソウ科の寄生植物。シイの木の根に寄生し、高さ約7センチで全体に白い。太い肉質の根茎に鱗片 (りんぺん) 状の葉が十字形に対生し、形が奴凧 (やっこだこ) を思わせる。晩秋、白い花が1個咲く。宮崎市内海のものは特別天然記念物。
やっこだこ【奴凧】
凧の一。奴2が両袖を左右に突っ張った姿に作ったもの。《季 春》
やっこどうふ【奴豆腐】
正方形に切った豆腐。冷や奴などにする。形が奴2の着物につける四角い紋所に似るところからの名。
やっこはいかい【奴俳諧】
江戸前期、江戸で流行した奴詞 (やっこことば) を用いて作った俳諧。六方俳諧。
やっこひげ【奴髭】
江戸時代、奴2などが生やした、鎌髭 (かまひげ) 。