うちゅうのさいでんり【宇宙の再電離】
宇宙誕生から約38万年後に宇宙の晴れ上がりという宇宙空間の中性化が起こったが、それ以降に水素などの中性原子がふたたび電離した現象。宇宙の初代の天体が誕生し、水素原子を電離するほどの高エネルギーの紫外線を放射したことによると考えられている。宇宙再電離。宇宙の夜明け。
うちゅうたいようこうはつでん【宇宙太陽光発電】
宇宙空間で大規模な太陽光発電を行い、電力を地上に伝送する発電方法の総称。宇宙空間では日没や天候や緯度、また大気の吸収などの影響がないため、理論上、地上に比べて高効率な発電が可能となる。地上への電力伝送はマイクロ波またはレーザーで行い、地上の受電設備で電力に再変換して利用することが考えられている。基礎研究が進められているが、実現には至っていない。SSPS(Space Solar Power System)。
うちゅうせんちきゅうごう【宇宙船地球号】
地球を、限られた資源しかもたない宇宙船にたとえた語。環境学・経済学などで用いられる概念。スペースシップアース。 [補説]1960年代、米国の建築家フラーの文明論“Operating Manual for Spaceship Earth”で広く知られるようになった。
うちゅうたつまき【宇宙竜巻】
1960年に発見された、蠍座方向にある電波天体。太陽系からの距離約4万光年で、2つの円錐の頂点を逆向きにつなげたような形状。大きさは約110光年。発見後ながらく正体が分からなかったが、2014年に慶應義塾大学などの研究チームが、X線天文衛星「すざく」などによる観測で解明した。中心にある、現在は不活性なブラックホールが活発だった時期に両極から噴出した2本の宇宙ジェットと、それらが分子雲と衝突して形成された両端のプラズマが輝いている。
うちゅうのきょりはしご【宇宙の距離梯子】
天文学において、地球から宇宙のある天体までの距離を近距離から遠距離まで、異なる測定法を梯子のように継ぎ足して間接的に測定すること。系外銀河のように遠方の天体までの距離を直接測定することは不可能なため、まず基本的な尺度として年周視差などで比較的近距離(数百光年)の天体を測定し、さらに真の明るさを推定できるケフェウス型変光星や、より明るいⅠa型超新星を標準光源として用い、10億〜100億光年の距離を測る。遠方になるにつれて測定誤差が大きくなるため、近距離の測定を精密に行う必要がある。距離の梯子。
うちゅうせんしょうしゃねんだい【宇宙線照射年代】
隕石の年代決定法の一。隕石の元となる母天体が破壊されてから、高エネルギーの宇宙線にさらされて生じる核反応生成物の量で年代を測定する。また、地球上には宇宙線は降り注がないため、放射性崩壊の減少から落下以降の期間を求めることができる。
うちゅうそくちがく【宇宙測地学】
人工衛星や他の天体の観測を通じ、地上では困難な精密な測定を行う測地学。人工衛星によるGNSS測量やレーザー測距、遠方のクエーサーからの電波の到達時間の違いを利用するVLBI測量などが知られる。
うちゅうニュートリノはいけい【宇宙ニュートリノ背景】
⇒宇宙背景ニュートリノ
うちゅうはいけいニュートリノ【宇宙背景ニュートリノ】
宇宙背景放射と同様に、宇宙空間に一様に存在すると考えられるニュートリノ。ビッグバンの約2秒後に、電子・陽電子・光子と熱平衡状態にあったニュートリノが現在も飛び交っており、その温度は約1.95ケルビンと見積もられる。宇宙誕生初期の状況を知る上で重要な手がかりとなるため、ハイパーカミオカンデによる直接観測が期待されている。宇宙ニュートリノ背景。原始ニュートリノ。CνB(cosmic neutrino background)。
うちゅうあらし【宇宙嵐】
大規模な太陽フレアの発生などによる大量の太陽風や放射線が地球に到達し、地球の磁場をはじめ地球近傍の宇宙環境を大きく乱す現象。大規模に発生すると、人工衛星や地球上の送電システムに障害をもたらす場合がある。