・・・そして誠忠奉公の公卿たちは鎌倉で審議するという名目の下に東海道の途次で殺されてしまった。かくて政権は確実に北条氏の掌中に帰し、天下一人のこれに抗議する者なく、四民もまたこれにならされて疑う者なき有様であった。後世の史家頼山陽のごときは、「北・・・ 倉田百三 「学生と先哲」
・・・又憲法が改正され、民法改正草案が示され労働基準法が審議されつつあります。旧い封建日本はようよう近代の民主的な人民の生活を持とうとしているようにみえます。社会のあらゆる面での男女の差別待遇は、憲法によって確認された基本的人権における男女の平等・・・ 宮本百合子 「国際民婦連へのメッセージ」
・・・憲法を制定して、自分達の政治の方向が民主的であるかのようにポーズすること、これは保守的な内閣にとってかくことのできない一つの仕事でした。憲法審議のための委員会に一人二人の婦人代議士が出席していたとしても、彼女達は具体的に人民憲法を作るように・・・ 宮本百合子 「今度の選挙と婦人」
・・・ ところが五年の議会ではまたこの公民権がもりかえされて、ともかく衆議院では可決されるところ迄こぎつけたが、貴族院では審議未了となり、全国町村長会議では、婦人公民権案に反対を決議しているというのは、実に町村長などという地方的有力者に代表さ・・・ 宮本百合子 「女性の歴史の七十四年」
・・・ 後藤末雄氏が『日本評論』に書いていられる論文「帝国芸術院を審議す」の文章をかりて云えば「爾来、星霜二十余年」今度社会正義に基くことをモットーとする近衛内閣によって、従来の「蚊文士」が「殿上人」となることとなった。「かかる官府の豹変は平・・・ 宮本百合子 「矛盾の一形態としての諸文化組織」
・・・指導方針によって放送審議会がこの大綱を定め、中継番組は放送編成会が働き、ローカル番組は各地の放送局長が具体化するという仕組みになっているのである。 こういう手順で我々の聴くラジオは目下一日平均一四時〇九分間放送されているのである。プログ・・・ 宮本百合子 「「ラジオ黄金時代」の底潮」
・・・この民法改正要綱は昭和二年政府が臨時法制審議会を設けて、我々に日常関係ある民法のうち、親族、相続法の改正案を審議した。 私たちは、日ごろ結婚というものを主として対手の有無によって話しているが、日本の親族法は、男満三十年、女満二十五年に達・・・ 宮本百合子 「若い婦人のための書棚」
出典:青空文庫